日本のポストはなぜ赤い？元々は違った？そこに至るまでの歴史を解説

人生に彩りを。流星です。
今回は日本のポストが赤い理由とそこに至るまでの歴史、海外のポストとの違いを解説していきます。
私たちの知っている日本のポストはトマトのような赤色（スカーレット）ですよね。
しかし、昔からそうだったわけではありません。
また、国によっては現在も別の色のポストを設置していますし、日本国内にも赤以外のポストも存在します。
ここからその内容を深掘りしていきます。
では、まいりましょう！

初期のポストは木製で素の茶色だったが、すぐに黒色になった
日本のポストの色が「赤」に定められたのは1908年である
郵便マークは昔から赤でデザインされていた
国によってポストの色は違うが、日本にも赤以外は存在する
まとめ
参考文献

初期のポストは木製で素の茶色だったが、すぐに黒色になった

日本では1871年（明治4年）に郵便制度が始まりましたが、当時のポストは書状集箱と呼ばれる木製のモノで、塗装もしておらず素の茶色でした。

その翌年の1872年には郵便ポストの利用者が増え需要が上がったためより多く設置され、さらには黒いペンキで塗られるようになりました。それが初期の「黒いポスト」です。
しかし当時の木製の黒いポストでは、夜や雨の日に目立たず認識しづらい状態だった上に、火事で消失するリスクがあったため、後にポストのデザインを変えることとなっていきました。

やはり黒塗りのポストだと、暗さの中では分かりづらくなりますよね。
私にとっても昔のポストが黒かったことは新たな知識となりました。

日本のポストの色が「赤」に定められたのは1908年である

では、日本のポストが赤色になった経緯についてです。

1908年当時存在した逓信省（現在は廃止）は当時の木製の黒いポストを「暗い中でも目立ちやすく、通行の邪魔にならず、火事でも燃えない」モノに作り変える判断をしました。
その指針により、ポストの新たなデザインが赤色・鉄製・円柱型となったのです。
また、赤色に塗ると決める段階で、郵便制度発祥の国であるイギリスのポストを参考にしたのも大きいそうです。

この経緯から、赤色なら暗い夜や雨の中でも目立つ上に、鉄製だと火災でも燃えず、円柱型なら通行の邪魔にならないという3つの要素が現代のポストの基盤を築いていったことが伺えます。

実際に私たちの知っている赤いポストは暗い中でも目立っていますし、頑丈な鉄製でできており、通行の邪魔にもなっていません。
勉強になる内容でした。

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郵便マークは昔から赤でデザインされていた

続いて、郵便マークのデザインが定まった経緯についてです。

1871年に日本の郵便制度が始まった時点では、郵便マークは存在していませんでした。

それから16年が経った1887年2月14日に、私たちの知っている郵便マーク「〒」が定められました。
考案したのは当時の逓信省会計局の職員・中島泉次郎氏だそうです。
彼は横浜港に外国船が入港した際に郵便物を受け取った海運会社「日本郵船」のマークが白地に赤の二本線だったのを見て、「逓信省のテの字」になっていることに気づき、着想を得たとのことです。
そして彼の「Ｔ」と「〒」両方のデザインを見た当時の逓信大臣・榎本武揚氏が「〒」の方が良いと判断したため、正式に採用となったそうです。

上記のような経緯を経て、私たちの知っている「〒」の郵便マークが日本社会に定着していったことが分かりました。
なるほど、そういう経緯でデザインされたのですね。

国によってポストの色は違うが、日本にも赤以外は存在する

ここで、世界のポストの色についてです。
冒頭で述べた通り、ポストの色は国によって違います。
しかし、日本国内にも赤以外のモノも存在します。
詳しく見ていきましょう。

赤いポスト

まずは私たちに馴染みのある赤いポストの国についてです。

特に上記で述べたイギリスのポストは赤色です。イギリスは郵便制度発祥の国なので、日本も同国を参考にしました。イギリスの植民地だった国々でも赤色のポストが多く使われています。
その他にもイタリアやポルトガル、韓国、タイ、インド、南アフリカ、オーストリアのポストも赤色です。

青いポスト

続いては青いポストの国についてです。

海外だとアメリカやロシアのポストは青色ですが、日本にもあるのです。
日本の青色ポストは基本、速達専用として存在していますが、その数は希少です。

特に千葉県山武郡九十九里町（同県東部）に存在する「海の駅」には、日本で唯一の「青い丸型の郵便ポスト」があります。
九十九里町は海岸沿いに位置し、イワシやサーフィンで有名なので、その町の象徴である青い空と海のイメージから青いポストが設置されたそうです。
そのポストは一般郵便を投函できる上に、記念撮影スポットとしても人気とのことです。

私もいつか見に行きたくなってきました。

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緑のポスト

さて、次は緑のポストについてです。

中国やアイルランドのポストは深緑色です。
しかし、日本の愛知県西尾市にも緑のポストが複数存在します。
その理由は、西尾市が抹茶の名産地であることから、ポストの色を抹茶のような緑色に塗装したとのことです。

街の名産物の色に塗られたポストも、その街の象徴になりますね。

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黄色のポスト

最後は黄色いポストについてです。

フランスやドイツ、スイス、オーストリアなどヨーロッパ諸国のポストは黄色が主流となっていますが、実は日本にもちらほら存在します。
特に有名なのは、鹿児島県指宿市にあるJR日本最南端の小さな無人駅「西大山駅」には「幸せを届ける黄色いポスト」です。
その西大山駅と黄色いポストは写真撮影のスポットとしても映えるそうです。

やはり、黄色には「幸福」のイメージがあるので、上記の西大山駅のポストの色にも反映されていることが伺えます。