【ぶどうの歴史】日本へはいつ伝わった?二大品種の違いから山梨の起源まで徹底解説!

テーブルに置かれた皿の上の赤いクイーンルージュと、シャインマスカットのような黄緑色と紫色で書かれた記事タイトル『【ぶどうの歴史】日本へはいつ伝わった? ~二大品種の違いから山梨の起源まで徹底解説!~』の文字 紫色

本ページはプロモーションが含まれています。商品は、公式の情報とは別に、筆者が個人的に良いと感じたものを選んでご紹介しています。

人生に彩りを。流星ジョニーです。

今回は、「ぶどうの歴史と日本への伝来」を、解説していきます。

秋の味覚を代表する果物といえば、ジューシーで甘酸っぱい「ぶどう」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。一粒口に運ぶだけで、その豊かな香りとみずみずしさに心が癒やされますよね。私の大好きな果物のひとつでもあります。

普段私たちが何気なく楽しんでいるぶどうですが、実は「世界で最も生産量が多い果物」であることをご存じですか? その品種は世界中で1万種を超え、人類の歴史とも深く結びついています。

今回は、ぶどうの知られざるルーツや、特徴的な「二大品種」の違い、そして日本へどのように伝わってきたのかという奥深い歴史のロマンを徹底解説します。この記事を読めば、次にぶどうを食べる時の美味しさがきっと何倍にも膨らむはずです。では、まいりましょう!

ぶどうはブドウ科のつる性植物に実る果物で、つるにある巻きひげが特徴です。古来よりリンゴやイチジクと並び、人類によって栽培されてきた最古の果物のひとつとされています。現代ではワインの原料としての需要が非常に高いため、世界で一番作られている果物でもあります。

多種多様な品種が存在するぶどうですが、栽培されている主要なモノは大きく分けると「ヴィニフェラ(ヨーロッパブドウ)」と「ラブルスカ(アメリカブドウ)」の2系統に分類されます。この2つは、食感や香り、そして育つ環境、原料としての役割に大きな違いがあります。

ヨーロッパブドウの大きな特徴は、皮と果肉が密着しており、噛んだときにパリパリとした小気味よい硬さがある「崩壊性(ほうかいせい)」の肉質です。香りは上品なマスカット香を持つものが多く、糖度が非常に高くなります。

しかし、ヨーロッパブドウは日本の高温多湿な気候が大の苦手です。雨が多いと病気や害虫の被害に遭いやすいため、夏に雨が多くジメジメした日本での栽培には元々適していません。 現在、世界で作られているワインの原料の多くはこのヨーロッパブドウであり、ヨーロッパ製のワインが世界中で親しまれている理由もここにあります。

アメリカブドウ(ラブルスカ種)の特徴

一方でアメリカブドウは、果肉がゼリー状でツルンと皮から剥けやすい「塊状(かいじょう)」の肉質をしています。香りは「フォクシー香(狐香)」と呼ばれる特有の甘く強い香りが特徴です(※狐の臭いがするわけではなく、北米産の野生ぶどう特有の香気成分を指します)。

ヨーロッパブドウに比べると糖度や酸味のバランスからワイン用としての主流ではありませんが、その濃厚な風味はぶどうジュースの原料として世界中で大活躍しています。 何よりの強みは「病害虫や雨に強い」ということ。雨の多い日本の気候でも元気に育つため、日本のスーパーで見かける生食用ぶどうの多くは、このアメリカブドウの血を引く品種(デラウェアや巨峰など)なのです。

私にとっても、ぶどうは大きく分けると2つの主要品種があるということは発見でした。

項目ヨーロッパブドウ(ヴィニフェラ)アメリカブドウ(ラブルスカ)
主な果肉の質感パリッとした硬い質感(崩壊性)ゼリー状でツルンとした質感(塊状)
香りの特徴上品なマスカット香など甘く強いフォクシー香(狐香)
気候への適応性乾燥を好み、日本の多雨には弱い病害虫や雨に強く、日本でも育てやすい
主な用途ワインの原料、一部生食用ぶどうジュースの原料、生食用

近年大人気の「シャインマスカット」などは、これら両方の長所(ヨーロッパ種のパリッとした食感と高い糖度、アメリカ種の日本の気候への強さ)を掛け合わせて日本で開発された画期的な品種なんですよ。【シャインマスカットの誕生秘話、名前の由来もご参照ください!】

ぶどうの歴史は想像以上に古く、その原産地は中近東(現在のジョージア周辺やカフカス地方)とされています。

この地域では、なんと紀元前6500年頃には、すでにヨーロッパブドウの野生種から栽培が始まっており、ワインを製造する上で重要な原料となっていました。古代エジプトの壁画には、ぶどうの収穫やワイン造りの様子が鮮明に描かれています。その後ギリシャへ伝わり、そこからローマ帝国の拡大とともにヨーロッパ全土へと栽培技術が広がっていきました。

さらに時代が進み、15世紀の「大航海時代」を迎えたことで、ぶどうの歴史はさらにダイナミックな転換期を迎えます。

ヨーロッパブドウのアメリカ上陸と、野生種との遭遇

コロンブスをはじめとするヨーロッパの探検家たちがアメリカ大陸を発見した際、彼らは自分たちの故郷の文化であるワインを造るため、お馴染みの「ヨーロッパブドウ」を現地へと持ち込みました。

しかし、当時のアメリカ大陸には、すでに病害虫に強い野生のぶどう(アメリカブドウ)が自生しており、先住民たちによって利用されていたのです。

新天地に降り立ったヨーロッパからの入植者たちは、この現地のアメリカブドウを使ってワインを造ろうと試みました。ところが、できあがったワインは彼らが愛したヨーロッパのワインとは風味が異なり、ワインの原料としてはどうしてもヨーロッパブドウの品質には敵わなかったのです。

この歴史的な試行錯誤の結果、アメリカブドウはワインではなく、その濃厚な風味と香りを活かした「ぶどうジュース」や「ジャム」の原料として独自の進化を遂げ、世界中で需要を確立していくことになります。

この大航海時代の歴史を踏まえると、非常に面白い事実が見えてきます。

ぶどう」というひとつの果物であっても、ユーラシア大陸(中近東・ヨーロッパ)が原産のモノは「ワイン」として輝き、アメリカ大陸が原産のモノは「ジュース」として輝く。生まれ故郷の気候や大地の歴史によって、それぞれが最も適した製品へと姿を変えて現代に伝わっているのですね。

私たちが普段、何気なく「ワイン」や「ぶどうジュース」を飲み分けている背景には、そんな大航海時代のロマンあふれるドラマが隠されているのです。そのどちらも、濃い赤紫色の飲み物ですよね。色繋がりで、【紫の心理効果5選】もご参照ください。

それでは、私たちの住む日本にはいつ、ぶどうが伝わってきたのでしょうか。その歴史の針を巻き戻すと、奈良時代へと行き着きます。

日本のぶどう栽培の歴史は、今から1300年以上も昔、奈良時代の718年に始まったとされています。

当時、仏教の布教や社会事業で知られた高僧・行基(ぎょうき)が甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市・旧勝沼町)にある柏尾山大善寺(かしおさんだいぜんじ)を訪れました。そこで行基は薬草を育てる「薬種園」を作り、ぶどうの栽培を始めたと伝えられています。

これが、日本最古のぶどうの品種として知られる「甲州(こうしゅう)」の始まりです。

この大善寺で産声を上げた甲州ぶどうの栽培は、平安時代以降も途絶えることなく、長い年月をかけて少しずつ地域に広がっていきました。そして江戸時代を迎える頃には、甲斐国勝沼は名実ともに日本におけるぶどう栽培の一大中心地へと発展を遂げたのです。

明治時代の挑戦と、日本独自の「生食文化」への転換

さらに時代が激変した明治時代、日本は欧米から一気に新しい文化や技術を取り入れるようになり、それに伴って数多くの海外産のぶどう品種が日本へと導入されました。

しかし、ここから先人たちの大きな苦難の歴史が始まります。

当時、ワイン用として期待された「ヨーロッパブドウ」は、元々カラッとした乾燥地帯に特化した品種でした。そのため、夏に雨が多く、ジメジメと蒸し暑い多雨多湿な日本の気候にはどうしても合わず、大規模な栽培の試みは次々と失敗に終わってしまったのです。

一方で、雨や病害虫に強い「アメリカブドウ」は日本の土壌にも馴染み、元気に育ってくれました。しかし、アメリカブドウは前述の通り「フォクシー香」という特有の強い匂いがあるため、ヨーロッパのような本格的なワインの原料にはあまり向きませんでした。

この「ヨーロッパブドウは育てられないが、アメリカブドウなら育つ。けれどワインには向かない」という日本の気候と品種のジレンマから、日本独自の素晴らしい食文化が生まれます。

「ワインにできないのであれば、このみずみずしい果実をそのまま生で美味しく食べよう」

こうして先人たちは、アメリカブドウの血を引く品種を中心に「生食用(デザート用)」の果実として大切に育てる道を選びました。この歴史的な経緯こそが、私たちが秋になると当たり前のようにフレッシュなぶどうを生で味わい、その甘酸っぱさに舌鼓を打つ「現代の豊かな食文化」へと繋がっているのです。

また、ぶどうは世界では7割がワインの原料として使われていますが、日本国内に限ると9割が生食用となっています。なるほど、日本と海外では、ぶどうの用途が大きく違うのですね。

私にとっても、日本でぶどうを生で食べる文化が根付いている理由を知ることは、貴重な勉強になりました。

今回は、秋の味覚の王様「ぶどう」の奥深い歴史を、品種の特性や日本の食文化のルーツと共にご紹介しました。

最後に、今回のおさらいをギュッとまとめてみましょう。

  • ぶどうのルーツは7000年以上前の中近東(ジョージア近辺)にあり、そこから世界へと広がった。
  • 大航海時代を経て、ユーラシア原産の「ヨーロッパブドウ(ワイン用)」と、アメリカ大陸原産の「アメリカブドウ(ジュース用)」という二大系統の個性が明確になった。
  • 日本へは奈良時代の718年に行基によって伝来し、山梨県勝沼を中心に「甲州ぶどう」としての歴史を紡いできた。
  • 明治時代、日本の多雨多湿な気候の影響でワイン用の栽培に苦戦した先人たちが、日本で育つ品種を「生食用果実」として大切に育てる道を選んだ。

私たちが秋になると、当たり前のようにみずみずしくフレッシュなぶどうを生で味わい、その甘酸っぱさに癒やされている背景には、地球規模の壮大な歴史と、日本の気候に立ち向かった先人たちの知恵や選択が隠されていたのですね。

世界で一番愛されている果物だからこそ、一粒一粒に詰まったロマンも格別です。 次にスーパーやフルーツショップでぶどうを選ぶときは、ぜひこの生まれ故郷の物語に想いを馳せてみてください。きっと、その一粒の味わいが、いつも以上に深く、彩り豊かに感じられるはずです。

歴史を辿ると面白いですね。次回の記事では、【ぶどうの名産地、代表的な品種、旬の時期】などについて解説していきます!

コメント

タイトルとURLをコピーしました